中小工場と大工場の違い

 IoT構築における中小工場と大工場の違いは、人が生産するか、機械が生産するかにあります。大工場の場合、人は単機能の生産装置を操作しているだけで、生産性を決めるのは機械の性能です。一方、中小工場は多機能の加工装置を使っており、作業者の装置の使い方次第で、生産性が左右されます。 すなわち、中小工場向けのIoTでは、データの収集より人への配慮(見せ方、説明)の方が重要な意味を持つのです。

コストダウンを阻むもの

 中小工場でIoTを使って効果を出すために越えなければならない壁、それが人のサガ(性)の理解です。「営業はアート、コストダウンはサイエンス」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。中小工場における生産の主体が人である以上、人の生物としてのサガ(仕様)の理解なくして、効率的な改善は望めません。
 食べ物の不足に備えた省エネルギー仕様(サボる、思考停止)、敵を追い払うための威嚇(脅し、集団行動)、保身のための嘘、自律行動(バラバラの方が絶滅しにくい)、などなど、生き残りを賭けた手段を選ばない遺伝子の戦略には頭が下がります。社会的には眉を顰められるような行動でも、生存確率を上げる、という一点だけから見れば、有効な戦略であることが多いのです。

IoT導入のカベ

 IoTを人のサガという面から見ると、導入時には、大多数が無意識に反対する可能性があります。人は無意識のうちに、今までのやり方を変えたくない(節約原理)、数字は苦手(数字の取り扱いは比較的新しい機能なので燃費が悪い)、不得意なものは見たくない(できるやつという思い込み)といった思考になりがちです。「うちの会社はその前にIoTができる環境を整えなければ」「うちは特殊なんだ」という言葉はよく耳にするでしょう。
 このようなIoT導入のカベに苦労してまで、IoTを導入する効果はあるのしょうか?その答えとしては、間違いなくあります。これからの時代に、中小製造業が競争に勝ち抜くための要件の一つと言っても過言ではないでしょう。

創流Factoryの目指すもの

 創流Factoryは、IoTを自作して工程の状態を定量的に把握し、自律的に改善活動を進められる工場をつくるお手伝いを致します。IoTの導入は、生産性向上の他にも、不良率の低減、製品付加価値向上、モチベーション向上、シナジー効果が期待できます。右下図のような効果が期待できます。但し、これらの全ての効果を発揮するためには、導入方法が極めて重要になります。キーとなるのは、IoTの導入をきっかけに、職場の意識を変えることです。
 IoTの自作は、プラモデルを作る感じでできます。 創流Factoryでは主にラズベリーパイとNode-Red(ノンプラミング言語)を使い、数日でIoTを構築して工場のデータを取得できるようになることを目指します。本来のIoTの楽しさ(自分が工場の改善の一翼を担っているという満足感)を仲間と一緒に味わうことができるでしょう。

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